平成13年度学術奨励賞は、新潟大学医学部附属病院検査部講師である三井田孝講師に決定した。これは三井田氏の臨床化学分野における著明な業績、特に「各種病態におけるHDL亜分画の変化」に関する一連の仕事が高く評価されてのものである。
本研究は、高比重リポ蛋白(HDL)のなかでも抗動脈硬化作用の強いとされているPreβ1-HDLについて、その代謝や臨床検体での変化について解析したものである。昨年には他施設との共同研究により、Preβ1-HDLに対するモノクローナル抗体を作成し、臨床応用可能な測定系を確立した。さらに最近は髄液中HDLの代謝に関する研究にも着手し、髄液中HDLの組成に年令差があることや、神経系に強く発現しているリポ蛋白受容体であるLR11へ髄液中HDLが結合することなども明らかにしている。
三井田孝氏は、リポ蛋白代謝をメインテーマに新潟大学医学部第一内科、同第ニ生化、千葉大学医学部第ニ内科で研修され、1989〜1992年まで米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校心臓血管研究所に留学された。帰国後は1993年から新潟大学医学部附属病院助手、1994年から同講師となり現在に至っている。三井田氏は日本臨床検査医学会(評議員)、日本動脈硬化学会(評議員)、日本臨床化学会、ほか多数の学会で活躍されている。Arteriosclerosis , Thrombosis, and Vascular Biology、Clinica Chimica Actaなど英文誌のreviewerもされており、今後さらなる活躍が期待される。