日本臨床検査医学会
   

日本臨床検査医学会 会員の皆様へ

日本臨床検査医学会会長  渡辺清明
 
 平成18年の新春を平穏無事にお迎えの事と心からお慶び申し上げます。

 日本臨床検査医学会と致しましては,学会の活動に対しまして日頃より格別のご指導,ご支援を賜っております会員の皆様に深謝申し上げます。

 ご承知の通り,2 年前より私どもの新執行体制になり,本学会では学術推進委員会,学会活性化委員会および渉外委員会を新たに設置し,臨床検査医学の推進,学会活性化などにつき鋭意検討を行って参りました。その結果,委員会より多くのなすべき課題をご答申頂き常任理事会,理事会を通じて検討致しました。

 本年はいよいよこれらの学会有識者の声を具体的に実行する年になります。やはり,口で言うより,実行という事になりますと作業としては大変になります。改革には痛みがつきものですが,是非会員団結して委員会の答申案を実現してゆき新たなシステムを学会に構築したいと考えておりますので,宜しくお願い致します。例えば,専門部会の件ですが,学術推進委員会からは発展的な改廃の答申を頂いておりますので,春までに各部会において慎重にシステム替えを考えて頂く事になっています。

 学術活動では,昨年 九州大学 濱崎教授の下で福岡の本学会総会が開催されました。お陰様で 500 を超す演題が集まり,少しずつではありますが臨床検査医学の活性が感じられるようになりました。今年も 11 月 9 日から 3 日間 弘前大学 保嶋教授の下で従来の総会(本年からは学術集会と呼称する事になりました)を開催致しますので,多くの会員の参加を期待致しております。学会としては学術推進委員会からの答申により具体化致しました臨床検査医学研究プロジェクトなどを筆頭に引き続き臨床検査の学術活動の推進を行ってゆく所存であります。会員におかれましても,是非日頃の研究成果を学術集会あるいは学会誌にご発表頂きたいと思っております。

 また,本年度からは本学会も法人化する事になっております。来年より法人改革があり現時点での法人化で,非営利法人として再構築される見通しであり,本会ステータス向上,また税制上の優遇もある為,中間法人として設立されることが昨年の理事会,評議員会あるいは総会で承認されております。現在,事務手続き中でありますので近々正式発表する予定です。

 さらに,今年から臨床検査指導監督医の制度を立ち上げ,臨床検査を監督指導する医師として最低限の見識を有する資格を審査・認定するシステムを学会内に持たせる事に致しました。これは多くの中小病院の臨床検査部や検査センターなどにおいて,必ずしも臨床検査に造詣の深い医師が検査部長や指導監督医になっていない現状を改善するために設けられた制度です。したがって,現行の臨床検査専門医とは一線を画す別の資格であり,審査もそれなりに緩やかなものとなります。10月に本資格の研修会を予定しております。

 一方,昨今の医療経済,とくに臨床検査を囲む状況は大変厳しいものがあります。特に,本年は春に診療報酬の改定があります。本学会では昨年より保険点数委員会を通じて行政をはじめとする所に臨床検査のあるべき姿を伝え,これを診療報酬に反映するように要請をしております。具体的には外来診療前迅速検査や検体管理加算の見直しなど一連の要望をしてきております。少しでも学会の努力で臨床検査の価値が診療報酬に反映できればと願っております。

 さらに臨床検査の国民および医療従事者などへのアピールと言う点では本学会は臨床検査振興協議会の主要メンバーとなり,関連臨床検査団体と共に日本の臨床検査の普及推進を図っております。具体的には例えば包括医療検討委員会と厚生労働省で作成している臨床検査のガイドラインを今年から臨床研修医全員に毎年配布する事が決まっています。

 一方,臨床検査は予防医学あるいは国民の健康増進に非常に有用なインディケー ターとなってきております。そういう意味では,臨床検査は今後の医療で大変価値あるものであります。特に,厚生労働省は生活習慣病を中心にその予防に関しては非常に深い関心を持ち,具体的な政策を打ち出しております。そう言う事ですから,臨床検査の質の向上は国民健康に特に重要な課題となります。本学会におきましても,疾患早期発見を目的にした健診など予防医学における臨床検査の重要性を関連省庁や昨年設立致しました臨床検査振興協議会などの諸団体と密接に連絡を取りながら科学的な面を中心に推進してゆく所存であります。

 一昨年も申し上げましたが,学会活動を推進する一つのポイントは「全員参加」だと思います。この姿勢は変えないで,今後とも臨床検査に関わる諸団体が職種を超えて全員一致団結して向かってゆくシステム作りに努力してゆくつもりでおります。

 以上,本学会は今年も臨床検査医学の発展および社会還元を目標に,我が国の臨床検査のあり方を学術面から考えて,会員と共に国民健康に貢献する所存でありますので,どうぞ関係各位におかれましては本学会へのご指導ご鞭撻を宜しくお願い致します。



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