日本臨床検査医学会


臨床検査医制度に関する質疑応答


日本臨床検査医学会(旧 日本臨床病理学会)認定臨床検査医制度規定が平成11年3月20日に改訂されました。 改訂の要点は、認定試験受験資格をより簡単に整理資料1)したことにあります。

すなわち、
  1. 厚生省の認定する研修施設において選択科目として,病理学、細胞診断学、臨床生理学、臨床医学のうちいずれか一学科を一年以上研修していること。
  2. 日本臨床検査医学会の認定する研修施設において必須7学科を2年間以上研修していること。
  3. 日本内科学会や日本病理学会の認定医資格があり、最近3年間の日本臨床検査医学会の会費を全納されている方。(米国等の認定臨床検査医の資格のある方は2年間の会員歴で受験できます。)
    ないしは他学会の認定資格はないが、5年間の会費を全納されている方。以上の3条件が確実に満たされていれば認定試験受験資格が生じます。
今回の資格変更に伴い、ご質問の多い事項についてQ&Aにまとめてみました。



臨床検査医制度Q&A


Q1:必須学科とは?
A1:a)臨床病理学総論、b)一般臨床検査学(尿・糞便検査等を含む)、c)臨床血液学、d)臨床化学、e)臨床微生物学(感染症学を含む)、f)臨床免疫学、g)輸血学の7学科です。
 
Q2:日常業務での報告書20編以上とは?
A2:必須7学科の研修中に自分の責任で行った検査業務実績を証明できる、署名の入った骨髄像の報告書、免疫電気泳動の報告書、クレーム処理文書、検査過誤処理報告書、on-call記録、コンサルテーション記録、精度管理委員会記録など特定の分野に偏らない報告書を指します。
 
Q3:受験を予定しているが、日常業務での報告書20編を準備することはできない。今後の受験は無理か?
A3:ある程度の年齢に達され現実に検査室の管理運営に専ら携わっている方が本学会の定めた教育プログラムの全てに関して再研修を求めることは無理であろうと思われます。このような方のために過渡的処置として、日本臨床検査医学会認定臨床検査医審議会が適当と認めた、実習を中心とするセミナー等への参加をもって報告書の提出に替えることができます。(資料2
 
Q4:認定医証交付資格として、臨床病理学に関する筆頭者としての学会発表、または原著論文が3編以上あることとなっているが、発表時期や発表した雑誌、学会などの制限はあるのか?
A4:発表時期の制限はありませんし、臨床病理学に関連したもの(資料3)ならば、筆頭者でありさえすれば適格です。ただし受験者が認定医制協議会の合意を尊重した基本型による研修者(資料4)は、この限りにありません。
 
Q5:認定医証交付資格として、研修指導者の推薦があることとなっているが、研修指導者とは誰か? 当院には、認定臨床検査医は一人もおらず私が最初の受験者となる。
A5:本来は日本臨床検査医学会教育委員会の定めた卒後教育カリキュラムに準拠した貴施設の研修プログラムを管理する責任者(原則として勤務部署の所属長)の推薦が望ましいのですが、現状では病院長ないしはその研修施設の最高責任者の推薦をもって替えることは可能です。
 
Q6:認定試験受験資格では、日本臨床検査医学会の認定する研修施設において必須学科の研修をしたこととなっているが、私の所属する病院は日本臨床検査医学会の認定施設ではないので、受験は無理か?
A6:無理とは限りません。 日本臨床検査医学会の認定する施設とあるのは、当分の間それに準ずる施設を含みます。なお選択科目を含めて今回の改訂された規約に該当しない施設で研修された方の受験資格については別に審議されますので、研修施設に関わる問題以外の受験資格が満たされていれば、受験の申請をされたらいかがでしょうか。


日本臨床検査医学会認定臨床検査医受験資格に関する自己チェクリスト


該当する項目の□に印をつけ( )には数字を入れてください。(複数回答可能)


(1)厚省の認定する臨床研修指定病院(施設)で、選択科目として、病理学、臨床医学のうちいずれか一学科について一年以上の研修が必要です。
 □
未研修 →選択科目の未研修者には受験資格がありません。
 □
(    )年に、選択科目の研修を修了している。
 □
(    )年に、日本内科学会認定内科医資格取得。(選択科目の試験は免除)
 □
(    )年に、日本病理学会認定病理医資格取得。(選択科目の試験は免除)

(2)日本臨床検査医学会の会員歴(基本的には(1)+(3)の研修による5年間以上、認定内科医や認定病理医等の有資格者は資格取得後、(3)の研修期間として3年間以上の会員歴)が必要です。
 □
日本臨床検査医学会に未入会 →会員以外には受験資格がありません。
 □
(    )年に、日本臨床検査医学会(旧 日本臨床病理学会)に入会している。 →(3)

(3)日本臨床検査医学会認定の研修施設で必須7学科、2年間以上の研修が必要です。
 □
必修全7科目の研修を修了した。 →(4)
 □
未研修 →未研修者には、原則として受験資格がありません。 →(6)

(4)必須7学科の検査業務実績を証明する20編の報告書等を提出する必要があります。
(ご自分の署名の入った骨髄像の報告書、免疫電気泳動の報告書、クレーム処理文書、検査過誤報告書、on-call記録、コンサルテーション記録、精度管理委員会記録、他、できるだけ必須7教科をカバーする特定の分野に偏らない報告書・書類等を指します。)
 □
必修7教科の複数分野にわたる報告書・記録が提出できる。 →(5)
 □
報告書・記録書類等の提出はできない。 →(6)(過渡的処置を希望する。)

(5)以上の(1)〜(4)の条件が満たされている方。→ 認定試験受験資格があります。
 

(6)ある程度の年齢で現実に検査室の管理運営に専ら携わっている方や第一線の病院でいわゆる一人病理医としての活動されている方などは、過渡的処置として日本臨床検査医学会が適当と認めたセミナー等への参加をもって報告書の提出に替えることができます。
(日本臨床検査医学会認定研修施設に所属している比較的年齢の若い方は、報告書20編の提出が必要です。)
 



資料1:平成11年に改訂された受験資格等の一覧表


A.受験者区分 B.受験時に必要な会員歴 C.報告書・記録等による研修内容の証明 D.選択科目の受験 E.臨床病理学に関する研究業績 F.備考
1.基本型
(学会認定医制協議会の合意によるもので、原則としてこのプログラムによる研修が必要です。)
5年 20編 必要** 筆頭者として3編以上 認定証の申請には5年の会員歴が必要
2.他の基本的診療科の認定医
(内科, 病理,眼科等で、他学会の認定医資格取得後に、臨床検査医の研修を開始したもの)
3年 20編* 不要 筆頭者として3編以上 認定証の申請には3年の会員歴が必要
3.米国等の臨床病理医認定試験合格者 2年 20編 不要 筆頭者として3編以上 認定証の申請には2年の会員歴が必要

A.受験者の区分のなかで1.の基本型による者が,認定医制協議会の合意による日本臨床検査医学会としての基本的臨床研修目標を含むものであり,原則としてこの研修によるものを推奨します。

B.認定医制協議会の基本的診療科の認定医資格取得後に、認定臨床検査医を志向し研修をした者は選択科目の研修と試験が免除されるため、3年間の会員歴で受験資格を生じます。

C.報告書・記録等による研修内容を証明するものは、当面の間その専門分野を問いませんが、受験者区分が1.基本型に相当する者は、必須7教科を網羅することが望ましいことを申し添えます。

E.臨床病理学に関する研究歴に関して、当面の間、発表年代および発表した学会名は問いませんが、1.の基本型による者は、できるだけ最近の日本臨床検査医学会に発表したものであることが望ましいことを申し添えます。

 *受験者区分が2.に相当する者に関しては、当面の間、日本臨床検査医学会の承認する臨床病理学に関する教育セミナー、教育ワークショップ等への出席をもって、その一部(ないしは全部)を替えることができます。

**受験者区分が1.の基本型による者の選択科目の受験に関しては、研修同意書を提出し、所定の研修期間中に、他の基本的診療科の認定医資格を取得したものについては免除する。

備考:この規定は平成12年度の受験者から適用します。
 基本的診療科以外の臨床研修修了者や実地修練(インターン)終了後に基礎医学講座に所属し、その後に臨床検査医の研修をした者、日本臨床検査医学会の認定研修施設以外での研修修了者等の例外的な受験希望者に関しては、当面の間、医学部卒業年度(平成元年以前の卒業者が主たる対象)を考慮し、従来からの受験資格認定基準を準用し受験が認められることがあります。



資料2:平成12年度から実施される受験資格の過渡的処置の改訂と日本臨床検査医会セミナー参加資格の制限のお知らせ


1) 経過処置として報告書の提出に替えることができるセミナー等のcredits点数。
 
認定試験受験者に必要な報告書等の点数(credits)総計20点以上が必要
平成12年 平成13年以降
日本臨床検査医学会総会 3点 3点
日本臨床検査医学会特別例会 2点 2点
日本臨床検査医学会支部総会 1点 1点
日本臨床検査医学会支部例会 1点 1点
日本臨床検査医会春季退会 2点 2点
日本臨床検査医会総会 1点 1点
日本臨床化学会夏季セミナー 3点 2点
日本臨床化学会冬季セミナー 3点 2点
日本臨床微生物学会教育セミナー 3点 2点
日本臨床検査医会教育セミナー(実習を主とするもの)
  輸血・骨髄像・免疫電気泳動 5点 5点
  臨床化学・細菌学・一般検査 5点 5点
日本臨床検査医会教育セミナー(講義を主とするもの)
  臨床検査医のQuality Management 3点 3点
臨床検査医のQuality ManagementManagementに関するワークショップ 3点 3点
ASCP Educational Coursesの中でLaboratory medicine に関する Courses 5点 5点
備考:コンサルテーション記録等の報告書(1枚) 1点 1点

2)日本臨床検査医会のセミナー(輸血・骨髄像・免疫電気泳動)の受験資格は、臨床病理学講座・臨床検査医学講座等の教授・助教授および大学病院のいわゆる一人病理医ないしは中央検査科等の所属の(内科系)医師でおおむね40歳以上の方々を対象とします。

平成12年度以降は、臨床病理学講座・臨床検査医学講座の教授・講師等のスッタフがすでに認定資格のある大学の助手、大学院生の受講は制限します。
これらの方は、御自分の所属される研究施設で、教授・助教授のご指導をお受け下さい。



資料3:関連学会について


日本臨床検査医学会認定臨床検査医制度規定による関連学会とは以下のものを指します。
 
日本内科学会,日本病理学会,日本臨床化学会,日本血液学会,日本臨床血液学会,日本感染症学会,日本化学療法学会,日本臨床微生物学会,日本輸血学会,日本臨床検査自動化学会,日本ME学会,日本超音波学会,日本医療情報学会。



資料4:研修プログラム例


A) 基本型 臨床検査医(CP)研修
┌─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐
│基本的臨床│CP必修 │CP必修 │CP後期 │CP後期 │
│研修*  │科目:1年│科目:2年│研修:1年│研修:2年│
└─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
↑                 ↑           ↑
日本臨床検査医学会加入      認定試験受験     認定医証交付
基本型による研修で本会会員歴が5年に満たない受験者の方は、認定試験合格後に原則として日本臨床検査医学会での筆頭者としての研究発表を必要とします。

*基本的臨床研修は、学会認定医制協議会の基本的診療域15学会の各学会に共通な研修初期に達成すべき基本的研修目標を含む研修プログラムを指します。
B)病理医(AP)・臨床検査医(CP)複合型研修

(1)病理医・臨床検査医複合型研修の例
┌─────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐
│CP必修 │AP1年 │AP2年 │AP3年 │AP4年 │CP必修 │
│科目:1年│     │     │     │     │科目:2年│
└─────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
↑                             ↑     ↑
日本臨床検査医学会・日本病理学会に同時加入     認定病理医  認定臨床検査医の
                          認定試験受験 受験・認定証交付

(2)基本的臨床研修を含む、臨床検査医・病理医複合型研修の例
┌─────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐
│基本的臨床│CP必修 │CP必修 │AP1年 │AP2年 │AP3年 │AP4年 │
│研修*  │科目:1年│科目:2年│     │     │     │     │
└─────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
↑           ↑     ↑           ↑           ↑
日本臨床検査医  日本病理学会 認定臨床検査医    認定臨床検査医    認定病理医
学会加入     加入     認定試験受験     認定証交付      認定試験受験

 
なお、すでに日本病理学会認定病理医や日本内科学会認定内科医等の資格のある方は、3年間の会員歴と日本臨床検査医学会の必須7学科を2年間以上研修していれば、認定臨床検査医認定試験受験資格が生じます。資料1







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